HOME 意思決定プロセス これからの考え方

パート1臨床倫理の基礎
意思決定プロセス

これからの考え方

そこでこれからは《情報共有から合意へ》というように、プロセスを捉えてみてはいかがでしょうか。


(図2)

これは、

(a)医療者は本人・家族に、エビデンスに基づく医学的情報中心の(生物学的=biologicalな)説明を行う、

ということはもちろんですが、これに加えて、

(b)目下の意思決定・選択に関係する限りにおいて、本人側の事情や考え・気持ちを理解しようとし、本人側に聴こう

という姿勢を併せ持つのです(図中の患者側から医療側への「説明」がこれに該当)。ここで、患者側から得られる情報は、そのいのちの物語り(=biographicalなもの)を中心として、現在の個別の事情や価値観を含んでいます。そういうことも考慮に入れるということは、医療上の決定は、単に医学的情報だけで決まるものではなく、患者側の人生についてのこうした情報も兼ね合わせた上で決まるものであることを示しています。また、このモデルは、決定は両者が共同で行うものとして、「合意を目指すコミュニケーション」が要であることを示してもいます。エビデンスにもとづく最善の判断は、主として患者のかかえる疾患に注目し、その生物学的生命に定位してなされるので、当の患者についての個別の判断には違いありませんが、物語られるいのちを生きている患者の個別の事情を切捨てた限りでのものという意味で最善についての一般的判断です。ですから、医療側は、患者側の物語られるいのちの個別の事情をも考慮にいれて、何が最善かについての「個別化した判断」へと進む必要があるのです。

臨床倫理検討シートダウンロードご意見・お問い合わせ
TOP
次の項目へ

生物学的生命と物語られるいのち

COPYRIGHT (C) XXXXXXXXXXX ALL RIGHTS RESERVED.