社会の仕組みとなったケア(医療・介護)の倫理
さらに詳しく知りたい方のために
1) 人間尊重原則 は、ケアが元来備えている要素に、ケアの社会化に由来する要素が付け加わってできています。前者は、ケアは「人間同士のコミュニケーションのプロセスとして進行する」という要素で、同の倫理に属します。また、後者に特徴的なのは異の倫理であって、医療は、相手が主権を持つ領域(身体)に介入することを含む以上は、主権を持つ当の相手の意思を尊重し、その許諾を得た上でやるべきだ(=自律尊重)ということなどを含みます。
2) 4原則との関係医学界で流布している医療における倫理原則のセットは、北米から入ってきた4つの原則からなるものですが、これと以上で説明したケア提供者の3つの原則ないし3つの姿勢との関係は右のようになっています。
基本的な臨床倫理の原則
ビーチャム&チルドレスの4原則 | 清水の3原則 |
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respect for autonomy(自律尊重) | 人間尊重 |
beneficence(与益) | 与益 |
non-maleficence(無危害) | |
justice(正義・資源配分の公正さ) | 社会的適切さ |