ALS患者の生き方における大きな問題の一つに、
病状が進み、呼吸機能の低下で肺が呼吸をできなくなった時どうするか、
人工呼吸器をつけるか、ということがあります。
まさに生死を分ける選択です。
人工呼吸器をつけたとしても、症状がさらに進み、
意思を全く表明できなくなった時には外したいという希望も出てきます。
ここで呼吸器を外すかどうか、やはり生死を分ける選択が問題となります。
人工呼吸器をつけて生きることを選ぶには、
ただ生命が延びることだけを考えるのではなく、
延びた生命がどのようなものとなるのか、なり得るのかという見通しが必要です。
それには、ご本人の人生に対する考え方や価値観と共に、
社会的環境がどれほどご本人や家族を
支援できるようになっているかが分かれ目となります。
このサイトは、人工呼吸器に関する意思決定のプロセスを
ご本人やご家族が一歩一歩たどることで、
ご本人にとって最善で、ご家族にも納得できる
結論に達することを支援したい思いで作っています。
このサイトの順に従い、記載されている例をご覧になりながら
実際にお書きになってみてください。
2014年3月 清水 哲郎
本サイトは、著者・清水が試作したもので、
現段階ではあくまで著者個人の提案に過ぎません。
これを叩き台にして、何よりも患者の皆さま、家族の皆さまのご意見、および関係する諸分野の専門家の皆さま、実際に神経難病のケアに携わっている医療者・介護者の皆さまのご意見をいただき、何らかの公的なものとして提示できるものへと磨き上げることができたら僥倖であると思っております。
皆さま、どうぞ忌憚のないところをお聞かせくださり、ご教示、ご助言をくださいますよう、お願い申し上げます。
原案・構成:清水哲郎 (臨床倫理プロジェクト) / ウェブサイト化: apriori inc.