高齢者ケアと人工栄養を考える_第4刷
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意思決定プロセスノート(記入例2)3-2 人工的水分・栄養補給は有効でしょうか専門家の判断秋田 小町   さんに、栄養と水分を人工的に適切に補った場合の見通しについて、次のようにお答えします  日付 [ X 年 Y 月 Z 日 ]  担当医療チーム 〓〓   〓〓       ① 生命維持が可能かどうか  □1生命を当面維持できると見込まれます(期間:         )  □2生命維持は困難であると見込まれますコメント これまでの経過を考え併せると、身体全体の衰えが進んでいて、こういう状況になったので、栄養と水分を補給しても多くは望めません。もし延命効果が多少はあるとしても、ただ生命が延びたというだけで、本人にとって益となると言えるかというと、医学的には何とも言えません。② どういう生活になるかの見通し できること・できるようになることの見込み(改善する可能性がある点と改善の程度や今とあまり変わらないと思われる点)アルツハイマーの通常の経過にそった経過をたどってきているので、現在の状態よりよくなることは考え難く、だんだん衰えて行く傾向にあります。たとえ延命効果があるとしても、現状より衰えつつ、生きて行くことになるでしょう。あなたの判断□1栄養と水分を適切に補給すれば、寿命が延びる見込みがあるそして、  □Aそれなりに生きてて良かったと思える日々が当面は続きそうだ⇒4では、4-1を見てください  □B 生きていて良かったと思える日々にはなりそうもない、あるいは、  なるかどうかは疑わしい⇒4では、4-2を見てください□2C栄養と水分を補給しても、生命を維持し続けるのは難しいほど  衰弱してきているようだ⇒4では、4-3を見てください〔コメントがあればどうぞ〕さしあたってCが該当するだろう。医師によると、アルツハイマーが進行し、FAST stageの7(d)という、医学的には終末期に入っているという。栄養補給に延命効果があるかどうかについて、全くないとは判断していないようだが、たとえ延びたとしても、本人の負担になるばかりだということは言えそうだ。69

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