高齢者ケアと人工栄養を考える_第4刷
60/82

選択肢この選択肢を選ぶ理由この選択肢を避ける理由見込まれる益益のなさ・害・リスク□全身状態が悪化していて、医学的には回復の見込みがなく、新陳代謝が不可逆的に低下している場合 ⇒・水分・栄養を補給しても、身体がそれを吸収・代謝できないので益がない。本人も餓えていない⇒ 益にならないことはしないほうが負担をかけずに済む・脳内モルヒネが出るなど、かえって本人を楽にする・自然なプロセスである□栄養補給に生命維持効果がある場合 ⇒本人の人生理解の故、ないしは生命維持しても、「生きていて良かった」といえる生活が見込めない故に〔快適〕のみを目指しているのだから、人工的補給をしないことが苦痛にならない限りは、選ぶのが妥当・本人が痩せ細って行くのをただ見ているのは、肉親にとってはつらいことかもしれない。餓死させるという誤解も実際ひろがっている・脱水症状がでるかもしれない・栄養補給を適切にすれば回復する人について、回復不可能と判定して、これを選ぶと、まだ豊かな人生が可能なのに、それをむざむざ放棄することになる・嚥下障害だけで、他の身体機能は衰えていない場合、補給しないことは苦痛になるかも選択肢比較対照表 目的〔快適な日々〕の場合人工的補給はしない3 人工的な水分・栄養補給はしない(自然にゆだねる)。57

元のページ  ../index.html#60

このブックを見る