高齢者ケアと人工栄養を考える_第4刷
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選択に迷った時のヒント集(Q&A)〔快適な日々〕を目指すことを選んだのですが、家族の気持ちとしては、〔水分補給〕くらいはしないと気が済まない気持ちです。〔補給なし〕が第一選択となる場合でも、この状況で何もしないというのではご家族のお気持ちがすまないという場合、次善の策として〔水分補給〕が候補になります。● これは、〔快適な日々〕を目的として選んでいる状況では、多くの場合ご本人にとって、やらないよりも負担になることがあるやり方だということを考えあわせてください(ご本人の場合の医学的な判断は担当の医師ないし看護師に聞いてください)。● ことに、ご本人が「そういうことはしてくれるな」と事前に言っておられたというような場合は、ご家族もそれを尊重していただければと思います。● 点滴などの〔水分補給〕を選ぶ前に、前に触れたやり方ですが、氷のかけら(味付きもよい)をご本人の口に含ませてみる、ということをしてみてごらんください(本人の状態によってはよくないこともありますから、担当の医師や看護師と相談してください)。ご家族には、〔水分補給〕でなくても、ご本人のためにやれることがあります。実感してみてください。● いろいろ迷われた上で、やはり何もしないよりは〔水分補給〕くらいはして欲しいと思われる場合、関係者とよくご相談の上、できるだけ本人の負担にならないようなやり方や補給量を選び、全身のむくみや痰の量が増えるといったことにならないようにしましょう。「水分補給くらいはしてほしい」というようなお気持ちになるのは、肉親として自然な心の動きです。同じように思われるご家族は決して少なくないのです。Q6A53

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