高齢者ケアと人工栄養を考える_第4刷
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あるのだということを心に留めつつ、考えていただきたいのです。●「すぐに決断はできない」──そういうこともあるでしょう。しばらく考える余裕が欲しい、本人との生活を終わらせるための時間が欲しい、と一緒に考えている医療や介護関係者に伝えて、相談してみてください。一時的に経口摂取ができなくなっている場合にどう考えたらいいでしょうか。● しばらくの間であっても、水分・栄養状態の低下は本人の全身状態の維持に影響しますから、通常、人工的水分・栄養補給が勧められます。● ただし、水分(+それなりの栄養)を補給しておけば、ご本人の現在の体力からみて、栄養補給が十分でないため全身状態が衰えてしまう前に経口摂取が回復すると見込まれる場合、水分を中心にした補給法があり得るでしょう。ステップ5Bの水分補給の項をごらんください。● ただし、よほど回復までの時間が少ない場合を除いて、医療側は栄養補給をしたほうがより良いと判断するでしょうから、ご本人の人生という観点で、栄養補給をしないそれなりの理由があるかどうか、がポイントになります。Q5A52

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