高齢者ケアと人工栄養を考える_第4刷
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ステップ 5B■ステップ4の最後で、目的として〔快適な日々〕を選んだ場合は、ここを読んでください。〔人生の延長+快適な日々〕を選んだ場合は、ステップ5Aの検討が終わったら、ここはスキップして、ステップ5-まとめ(41頁)に進んでください。■本人が残りの日々をできるだけ快適に過ごすことを目指す場合、水分・栄養補給については、次の2つの方針のどちらにするかを考えます。〔補給なし〕:人工的水分・栄養補給は行わず、可能な限りの経口摂取のみを行う〔水分補給〕:人工的水分補給(若干の栄養補給も伴う)を導入する〔+可能な限りの経口摂取〕  いずれにしても、栄養補給は十分ではありませんので、そう遠くない時期に最期を迎えることになります。本人を中心に、関係者皆で本人が良い人生を全うすることを目指します。お世話をする者たちは、本人が苦痛なく過ごせるように、また、残っている力があれば、それを発揮する機会があるように、心がけます。どの人工的水分・栄養補給法にしましょうか─それともどれもしないでおきますか?● 〔可能な限りの経口摂取〕は、自然なことですし、本人が好んで応じる限りは、「快適な日々」につながります。沢山は食べられないでしょう。ほとんど食べられない場合もあるでしょう。医師、看護師等専門家と相談して、口から食べることが今の本人の生活をより豊かにするかどうかを考えましょう。● 理屈では水分も補給しないほうがいいと言われても、「何もしないのはどうも」と家族がためらうことがよくあります。これについては付録2のQ6(53頁)をご覧ください。38

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