高齢者ケアと人工栄養を考える_第4刷
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ステップ 5A■ ステップ5Aは、ステップ4の最後で、 目的として〔人生の延長+快適な日々〕を選んだ場合に、続いて考えるものです。 〔快適な日々〕だけを選んだ場合は、ステップ5Bに進んでください。■今、本人は口からは十分な水分・栄養を摂れない状態ですから、長生きを目指す以上は、水分も栄養も人工的に補給して、栄養状態を維持する必要があります。また、少しは口からも摂れるようでしたら、それも続けたほうがよいですよね。ですから、さしあたっての方針は、次のようになります。人工的な水分+栄養の補給をする + 可能な限りの経口摂取■補給の具体的な方法については、次をご覧ください。これらについて、詳しくはパートⅠ(8~14頁)をご覧ください。また付録の比較対照表(55頁)も役に立つかもしれません。それぞれ気をつけなければならない点(リスク)もありますので、医療に関する話し相手によく説明してもらってください。どの人工的水分・栄養補給法にしましょうか経腸栄養法 水分と栄養を食道、胃、あるいは腸に人工的に送り込んで、腸から吸収できるようにするやり方です。腸が働いていて、栄養を取り込むことができる場合は、まず経腸栄養法を考えてください。腸から栄養を取り込むようにすると、身体の免疫力が高まるという益があるからです。次のやり方があります。胃ろう栄養法 PEG(ペグ)という簡単な手術で、腹から胃に穴をあけてチューブを通し、そこから胃に直接水分・栄養を入れます。 簡単であるとはいえ手術には違いありませんから、栄養補給をしなければならない期間が短い時には行いません。3週間以上必要な場合は、これが勧められます。また、胃が使えない場合、腸に水分・栄養を入れる「腸ろう」という方法もあります。35

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