高齢者ケアと人工栄養を考える_第4刷
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ステップ4 人工的水分・栄養補給の導入について考えるのは、本人の今後の生活・人生をできるだけ良くするためです。ですから、どういう生活を目指すかによって、水分・栄養の補給をどうするかということが、また、一般にどういうケア(世話・介護)を受けたいかということも、変わってきます。そこで、ここでは何を目指すかを選びましょう。今、一般に考えられる目標は次のとおりです。何を目指しますか❶ より長生きすることを目指す(=人生の延長)❷ できるだけ快適* に過ごすことを目指す(=快適な日々)*「快適」であるためには、次の二つが必要です:・辛くない(楽に過ごす)・残っている力に応じて、その力を発揮する機会があるこの❶と❷の両方とも目指すか、それとも❷だけ目指すか、を考えてみてください。なお、このうち、お世話をする側としては、少なくとも❷は目指したいところですが、❶のほうは、本人の状態によって目指せることも、目指せないこともあります。 また、❶、❷は本人の希望を適切に言い表しているとは限りません。ご自分の言葉でおっしゃりたいこともあるでしょう。その場合、❶、❷について選んで34頁の記入欄に記していただいた上で、足りない点をコメント欄に自由にご記入ください。ステップ3で、栄養補給をした場合の今後の生活の見込みについて考えました。これを出発点にし、ステップ2で考えた本人の人生にとっての最善を考えて、❶と❷両方目指すか、それとも❷だけを目指すかを検討します。本人とご家族を中心に、医療や介護に携わる方たち皆で考えて行きましょう。32

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