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心積りノート
『心積りノート〔改訂版〕』について
《心積りノート》は、これからの人生を快適に、自分らしく生きるために、今後の暮らし・活動・治療やケアについて心積りすることを支援するノートです。
- 【考え方・書き方編】と【記入編】からできています。
- 右の図をクリックすると【考え方・書き方編】のeブックが開きます(【記入編】についてはこのページの下の方をご覧ください)。
- これまで、自分の人生の最期のところで、意思表明ができなくなる場合に備えて、「延命を目指す治療はしないでください」、「辛くないようにしてください」、「心肺蘇生はしないでください」といった意思表明をしておくための「事前指示」と呼ばれる文書がいろいろ提案されてきました。それは市販の「エンディングノート」にも簡単なものが採用されていることが多いです。
- 《心積りノート》は事前指示と似ているところもありますが、考え方が違います。つまり、〈事前指示は〉死が近づいてきた状況で最期の時期に何をして欲しいかを予め書いて置くものですから、いわば「死ぬためのもの」です。しかし《心積りノート》は、「これからの人生をどう生きようか」と、予め計画することを支援するもので、「生きるためのもの」です。
- 私たちは、高齢になっても出来るだけ長く元気でいようとします。衰えが始まることを先延ばしにして「健康寿命を延ばそう」とします。できるだけ延ばしましょう。
でも、若い頃と比べれば少しずつ衰えて行くことは免れません。そして、特に病気にならなくても、いつかは老いて、衰えていくことになるでしょう。次の図は、老いて衰えていくイメージを描いたものです。老年医学の専門家たちが作った、老いていく(frailtyが進む)様子をいくつかの段階にわけた 「 臨床的老いの進行スケール(CFS: Clinical Frailty Scale) 」に基づいています 。
- 途中でがんなどの生命に関わる疾患に罹らなかったとしても、この図のように老いていくわけですが、そうすると老いの進行を見越して、例えば「中度の要介護」あたりまで老いが進んだら「どのように暮らそうか」、「どういう活動ならまだできるだろうか」、「生甲斐をどう持ち続けようか」と、今から心積りしておき、できる準備はしておくほうが良いと思いませんか? 《心積りノート》はそれをお手伝いします。
- また、元気で矍鑠(かくしゃく)としている時には、手術等々の治療が必要なら受けるつもりですが、老いが進むと「もう、後が辛くなる手術は受けなくていい」、「効果がある治療でも、治療中辛いものならやらなくていい」と思うことでしょう。そういう、老いの進行と共に変っていく治療についての希望を、今から考えておくこともお手伝いします。
『心積りノート〔改訂版〕』解説編・記入編 簡易試行版(2020年3月刊)
- 『心積りノート〔改訂版〕』は、研修会などで説明して、実際に【記入編】に書いていただくのは、時間的に難しいところがあります。また、細かく記入しなければならないとなると、とくに「どのような医療を受けるか」は書き難い方が多いようでした。そこで 【記入編 簡易試行版】 を試作してみました。加えて、【記入編 簡易試行版】の様式に沿った記入例 と研修会で話す際の最小限の資料を加えた【解説編 簡易試行版】を併せ試作しました。
- 右の図をクリックすると【解説編 簡易試行版】と【記入編 簡易試行版】を併せて作成したeブックが開きます。
- 【解説編 簡易試行版】はあくまでもちょっとした研修会・講演会での配布資料として作成されたものですから、【記入編 簡易試行版】の記入例はありますが、記入の仕方の解説は含んでいません(そのような解説は研修会等の必要に応じて資料を作ることを想定しています)。ですから【記入編 簡易試行版】を独力でお使いになりたい場合は、『心積りノート〔改訂版〕』の【考え方・書き方編】を上の入口からeBookをご覧になるか、以下にでているpdfダウンロードのやり方にしたがってpdf版を入手なさるかして、ご参照ください。
- 実際、【記入編 簡易試行版】には、項目ごとに「考え方・書き方編 何ページ参照」というようにして、『心積りノート〔改訂版〕』【考え方・書き方編】のどこを見ればよいのかが示されています。
《心積りノート》を読んでみたい・書いてみたい方へ
Eブックを公開します。【考え方・書き方編】と【記入編】があり、【考え方・書き方編】を読みながら、【記入編】に記入するようになっています。
双方とも pdfファイルをダウンロードすることもできます。よろしければ、【記入編】のpdfファイルをダウンロード、プリントアウトして、記入してみてください。
【解説編・簡易試行版】および【記入編 簡易試行版】についても、同様にEブックおよびpdfファイルを公開します。
《心積りノート》はRISTEXの研究開発プロジェクトおよび日本学術振興会科学研究費補助金としての研究成果です
- 研究開発プロジェクト《高齢者ケアにおける意思決定を支える文化の創成》(PL 清水哲郎)は、独立行政法人科学技術振興機構(JST) / 社会技術開発センター(RISTEX)が実施した(既に終了)研究開発領域「コミュニティで創る新しい高齢社会のデザイン」に属するプロジェクトです。
臨床倫理プロジェクトは、本研究開発プロジェクトとして心積りノートの開発等を行いました(第1版 2015年11月刊行)。
より詳しくは 【活動・成果報告概要】をご覧ください。ここには、心積りノートの概要もでています。 - 《心積りノート 第1版》をベースに、科学研究費基盤A「臨床倫理検討システムの哲学的見直しと臨床現場・教育現場における展開」(2015~2018年度 研究代表 清水)による研究開発として、《心積りノート 改訂版》を刊行しました(改訂版 2018年3月刊行)。本ページで紹介しているものはこれによっています。
さらに《心積りノート 改訂版》簡易試行版(解説編・記入編)は科学研究費基盤A「臨床倫理システムの哲学的展開と超高齢社会への貢献および医療者養成課程への組込み」(2018~2021年度 研究代表 清水)によるものです。