心積りノート 考え方・書き方編
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おわりに 心積りノートを作ってからさて、いかがでしょうか。「心積りノート 記入編」に大体記入しましたか。「もちろん、やりましたよ」という方もおられるでしょうが、「なかなか書くまではねえ」とか、「書けるところは書いたけどね、空欄がおおい」という方もおられるでしょう。それぞれのお考え、お好みにしたがって利用していただければ、と思います。ただ、「まだまだ先のことだから」と先延ばしにしていると、いつのまにか目の前に問題が起きて来て、本冊子で「心積り」といっていたことを、現実に選ばなければならなくなるかもしれません、ということです。本冊子をお読みくださっていれば、そういう時にも役に立つと思います。読んだだけでも心積りがある程度できているからです。でも、もっと安心なのは、今でなくてもいいですから、近いうちに心積りをし、周囲の方との合意をしつつ記入しておくことです。ご自分が倒れて意思表明できないという場合にも書いたものは使えるからです。一旦、心積りノートを作成しても、老いが進んでいくと、考えが変わるかもしれません。まだまだ壮健である時期に記入した考えが、だんだん弱っていくうちに変わっていくのは自然なことです。書き直しは何度でもできます。書き直す際にも、ケア提供側(相談員)およびご家族と話し合って合意しておくことが、実際に心積りしておいた事態が起きた時に、周囲の人たちがご本人の希望にかなった動き方を実行するためには大事です。「心積りノート 記入編」には、ご本人のほか、ご本人が心積りノートを作成する際に話し合った方たちがコメントと共に署名をする場所もあります。ここにご家族や、相談相手になった医師、看護師、ソーシャルワーカー、介護従事者等が書き込んでくださると、これを初めてみる医療・介護者も、作成の状況が良く分り、これに則った対応がしやすくなります。また、心積りノートは、本人がご自分のケアにかかわる意思決定プロセスに参加できなくなった時のために遺しておくものとして作られているわけではありませんが、そういう時に、本人の希望を理解するために使うことができます。その点も「記入編」の冒頭に記してあります。どうぞ、上手にお使いください。心積りノートを作ってからおわりに55ステップ 1ステップ 2考え方ステップ 3ステップ 4おわりに

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