心積りノート 考え方・書き方編
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ステップ3 今後の治療・ケアについての心積り3-4-2 蘇生心肺停止したら、蘇生を試みないと?蘇生というのは、人工呼吸に加えて、胸骨圧迫をするのが通常です。胸骨圧迫は、日本では心臓マッサージと呼ぶことが多く、ソフトに聞こえますが、胸骨を繰り返し強く圧迫することです。つまり、心臓の上のあたりの胸の骨をぐんぐん押すことで心臓のポンプとしての役割を回復させようとする方法です。身体が柔軟であれば、胸骨を繰り返し押しても弾力があるので、大丈夫ですが、高齢により固く、もろくなっていると骨折しやすく、また折れた骨の破片が肺を傷つけることもあり、決して安易な方法ではありません。救命を優先して、そういうリスクを覚悟して行うのです。心肺停止になった時、蘇生を試みなければ、人生は終わります。試みた場合の結果は以下の3つになります。① 回復に向かう② 一旦は心肺が動き始めるが、身体全体が衰えているので、遠からず、また停止してしまう③ 蘇生しないで終わりを迎える高齢で衰えが進んでいると、②か③になることが予想されるので、蘇生を試みることは、本人の身体に対する虐待になってしまいます。上記①の可能性がある場合、回復した後にどういう生活が見込まれるかを考えましょう。3-2で生命維持をするかどうかを考えた時、やれば暫くは人生が続くけれど、その中身を考えると、本人に益がないのに無理やり生かしているようだ、と思われる場合は、おすすめできませんでした。それと同様に考えてみてください。ご自分の場合を考えてみましょう次頁の記入欄・記入例を参考にして、「記入編」P8に記入してみてください。記入の仕方は前項の場合と同様です。ただ、次の点が他の項目と違う点ですので、注意してください。記入欄の帯状の図で、緑の部分       は蘇生がうまくいく可能性があり、一般的価値観によれば、回復後に生きていて良かったと思える人生が可能な場合もある時期です。ただし、若い人でも、例えば脳内出血で倒れた場合、その程度によっていろいろな場合がありますから、一概にこれと決められないでしょう。ですから、ここを実線にする場合は「医学的に益になる見込みが高い場合にはする」という時期と考えましょう。53ステップ 1ステップ 2考え方ステップ 3ステップ 3おわりに

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