心積りノート 考え方・書き方編
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さて、これらの選択について、あなたはどう考えますか山下、川上、野中さんについての選択をどう思いますか?あなた自身のことだったら、またはご家族(伴侶、親)がこういうことになったら、どう考えますか?人工栄養にするかどうかの境界はどんなところにあるでしょうか?解説Aさんは高齢により身体全体が衰えてきています。認知症も進んできました。身体にいろいろ問題が起き、毎日の生活には周囲のサポートが必要です。上述の野中さんの場合もそうでしたが、こうした状況でしばしば「人工的栄養補給をしていけば、こういう状態でも2年、あるいはそれ以上生きておられる方も結構いますよ。人工的な栄養補給をしないと、水分補給だけでは1ヵ月半くらいで終わりになるでしょうね。」と説明されることがあります。こう説明されると、多くのご家族は、「2年とか、それ以上とか生き続けられる方法があるのに、それをしない手はないだろう」と思うことでしょう。でも、ちょっと待ってください「あとどれくらい生きられるか」という長さだけを理由にして選ぶと、後で悔やむことになるかもしれません。栄養補給をしてよかったと満足しておられる家族もたくさんいますが、「本人にかわいそうなことをした、こんな状態で無理やり生かすようなやり方は本人に何の益にもならない」と悔やんでいる家族も多いのです。医師に、余命の長さだけではなく、どういう生活になる見込みかも説明してもらいましょう。40

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