心積りノート 考え方・書き方編
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●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●【事例3】キミさんは、90歳を過ぎていて、中度から重度要介護の女性です。認知症も進んでいます。家族は見分けられます。会話はあまりしなくなり、簡単な文章しか出てきません。さて、ここのところ便にときどき血が混じるようになり、また、血が見えない時も「タール便」といって、体内の出血が便に混じったことによると考えられる状態の黒い便になっています。医療者は大腸がんを疑っています。このような場合、壮年期までの患者であれば、下部消化管の内視鏡検査をすることになります。しかし、内視鏡を挿入される辛さに、キミさんは耐えられないのではないかと判断されました。認知症が進んでいるので、我慢しなければならない理由が理解できないと思われました。実際、血液検査程度でさえも、説明すると、「辛いのは嫌だ(痛いのは嫌だ)」と答えていたのです。では、そういうご本人の気持ちがあっても、検査をぜひともしなければならない理由はあるでしょうか。例えば大腸がんだと分かり、それの位置や大きさが分かったらそれに対する積極的治療を選択するでしょうか。否、手術だの抗がん剤だのという積極的な治療は、この方が壮年期であれば、大いに有益であった可能性が高いですが、心身の衰えが進んでいるこの方には適切とはいえないでしょう。キミさんの場合について、あなたはどう考えますか?ご家族と話し合ってみませんか。以下の説明を読んで、 ご自分の場合を「記入編」P7に記入してみてください治療中の辛さを我慢して積極的治療を受けるかどうかについて、ご自分の考えを図に記入してみましょう。次の記入例を参考にしてください。記入の仕方は前項の場合とほぼ同様です。次の説明も参考にしながら、お考えください。① 「治療がこんなに辛いのなら受けたくない」と思う場合の「辛さ」にはいろいろあります。あなたが考え易い辛さを選んでください。② ①で選んだ辛さを念頭に、帯状の図に「この辺までなら我慢できる」というところまで➡を記入します。③ 帯状の図の部分に➡を記し、辛さの内容を選んだだけでは、あなたが伝えたいことを十分表現できていないとお感じになるかもしれません。そういうことがある場合は「メモ」欄に自由に追加して説明してください。36

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