心積りノート 考え方・書き方編
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考え方 よい人生のための心積り本人の視点/家族の視点家族といってもいろいろですから、一概にどうとは言えませんが、次のようなことがよくあります。● 本人は、「家族の世話になることは、迷惑をかけることだから、できるだけ避けたい」と思って、「して欲しいこと」を自分の本心よりも控え目に表明する。● 家族は、「家族なのだから、本人にできるだけのことをしてあげないとならない」と思い、ことに「親の長生きを願い、そのように動かないと」という方向で、治療やお世話について考える。ただし、これにはしばしば「世間の目、親族の目を気にする」ということが伴っている。中には、「生活が大変で、今でも目一杯忙しいのだから、親といえども世話はできない」と率直に表明する家族もある。互いに、始めから本音だけで話し合うと、うまく行かないこともあります。はじめは、例えば、「老いて衰えてきたら、いろいろしないでいいんだよ。若いあなたたちの生活を大事にしておくれ」「お母さん、そんなこと言わないで、長生きして頂戴。お母さんが困らないように、私たちがちゃんと世話をするからね。」というような、いわば挨拶のやりとりをすることから始まって、だんだん本音を出し合い、お互いに納得できるところを見出す、というような流れが、スムーズに進めるためによいことが多いようです。家族が、ご本人の表明している希望が本音なのだと分かり、それに沿った対応をすると安心して言えるように、話し合いを重ねましょう。また、ご一緒に暮らしているご家族は、ご本人の老い方の経過を知っていますので、必要以上に「できるだけのことをして欲しい」とは言わないことが多いのですが、離れて暮らしている親族は、「できるだけのことをすることが良いことだ」という建前で注文をつけることが多いです。この場合、ご本人ではなく、お子さん等、主に世話をしている方への圧力となりますので、予めご本人からそうなりそうな方に説明をしておいてくださると、世話をなさっている方たちを守ることになります。ご本人の兄弟姉妹や、嫁に出た娘、遠くで働いている長男さん、といったところが目立ちます(コラム「できるだけのことはしてください?」も参照)。Column[コラム]15ステップ 1ステップ 2考え方ステップ 3おわりに考え方

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