患者と医療者とのコラボレーションネットワークの構想と問題提起
東神戸病院緩和ケア病棟ボランティア 藤本 啓子
                       

ホスピスボランティアとしてよく耳にする患者さんや家族の声は、これまでにもっと病気に関する情報が得られていたら、ここ(ホスピス)に来るまでになんとかできたのではないか、というやりきれない思いに充ちたものである。確かに以前に比べれば告知やインフォームドコンセントは公知のものとなりつつあるが、それらは依然として医師中心のものであり、患者自らが求めて行われるには至っていない。また、情報公開が謳われているものの、依然患者には十分な情報が与えられてはいないのも事実である。そこでこの患者と医療者とのコラボレーションネットワーク構想は、

ことを目的としたものである。

具体的には患者への情報提供の場(患者情報室)を設け、患者自らが自分の病気に対する知識を得ることができるようにする。また、従来は医療専門職に占有されてきた医療情報を、より市民的な立場に立った客観的な内容にして提供する。運営は市民ボランティアによって行われるが、主たる情報源は医療者(ボランティア)である。さらに将来的にはネットワークの中枢に研究機関などによる医療コンサルテーション・リエゾンを設け、医療者への倫理的ジレンマなどの解決、患者と医療者とのコラボレートの円滑化などを図り、医療者・患者双方に客観的な情報提供を行う。情報提供の方法は、

などの方法が考えられる。

ただし、実現にあたってはいくつかの問題点や困難がある。例えば、

などが挙げられる。

以上の点について参加者の方々に適切なアドバイスをいただけたらと思います。

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