宮城県在宅ホスピスケア推進事業について
宮城県保健福祉部技術参事兼医療整備課
課長 仲田勲生

【宮城県の姿】
東北の南部に位置し、人口237万人。人口102万人を擁する政令市仙台にヒト、モノ、カネが集中している。

【宮城県のホスピスケア事業】
94年県議会にて県立がんセンターへホスピス病棟設置の請願採択。
95年ホスピスケア懇話会。
96年県立がんセンター緩和ケア病棟基本計画(2002年開棟)。
97年民間病院の緩和ケア病棟整備補助。
97年から2000年まで宮城県看護協会とがんセンターとに委託して在宅ホスピスケア調査研究事業。

【在宅ホスピスケア推進事業】
がん患者は市町村を超えて診療を受け、自分の選択により様々な最期の場を選択する。このため上記調査研究事業で保健所という「場」に「人」が「集まり」、在宅ホスピスケアを地域で展開する方法が有効であった。01年より「在宅ホスピスケア推進事業」として県保健福祉事務所を中心とするこの体制を全県に拡大することとした。事業は

  1. 体制づくりの支援:全県を対象とした組織「在宅ホスピスケアネットワーク」の運営及び地域でのケア提供者等からなる「地区在宅ホスピスケア連絡会」の設立支援
  2. 人材育成:関係者の概要研修及び現場医療機関での実地研修、さらに認定看護師養成研修への派遣等
  3. 普及啓発:ホスピスケアの集い、県民フォーラム
等からなる。県内7ヵ所の保健福祉事務所の内01年度3ヵ所、02年度5ヵ所、03年度全7ヵ所で事業を実施している。また、03年度から地域での連携体制の構築に当たって疼痛及び補液のケアサービス基準の策定事業を行っている。

【在宅ホスピスケアの課題】

  1. 疼痛管理、全身管理等のがん治療の提供
  2. 患者and/or家族の不安の解消
  3. 診療報酬・介護保険等諸費用への支援
  4. 在宅ホスピスケアの認知

【事業実施上の課題】

  1. 事業実施に当たっての費用対効果の明示(在宅ホスピスのニーズとケア提供)
  2. モデル地区と県内他地域との差の克服(拠点となる病院の確保及び医師会活動、訪問看護ステーションや薬局等地域特性の差)
  3. モデル事業から通常の医療サービスへの発展方策
  4. 啓発、普及から「あたりまえ」への拡大方法とその評価

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