地域ケア・システムの形成をめぐる諸問題
-地域社会学的な視座から-
永井 彰(東北大学大学院文学研究科)

本報告では、主として高齢者ケアの問題を想定しながら、地域ケア・システム形成の問題を地域社会学的な観点から考察する。

地域社会のなかで、高齢者ケアにかかわるさまざまな専門職、行政機関、地域住民(NPOなども含む)が連携し、高齢者の生活を支えていく。こうした地域ケア・システム形成の必要性は、医療や福祉の現場においても認識されてきた。しかし、現実には、地域ケア・システムは、限定された地点にしか形成されていない。この事情を事例にそくして観察してみると、いくつかの要因が絡まりあっていることが理解できる。いくつかの事例を念頭におきながら、いかなる事情の連鎖のもとで地域ケア・システムが形成されているのかについて考察したい。

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